【怖い話】ツレはもういないけど、あいつのタックルはいつも一緒だ
2017年03月01日 09:00
| 怖い話
127 : 名無しバサー : 2008/12/19(金) 01:16:53
俺、今28だが、一昨年ツレが事故で亡くなった。
ガキの頃から、ずっと一緒に遊んできた奴で、釣りに行くのもいつも一緒だった。
初めて雷魚を釣った時も、初めて60を釣った時も、初めてボートを出した時も。
夜釣り中心だが、多い年は年間釣行200日という年もあった。
腕の方は五分五分。口に出しては言わなかったが、少なくとも俺は相手の腕を認めていた。
ツレの葬式が終わってしばらくして、俺はツレの家族から、形見として釣り道具一式を貰った。
ツレの家族は泣きながら、供養だと思って使ってやってくれと言っていた。
でも、俺はその日から釣りをやめた。
何気ない事までやけに思い出されて、悲しくて悲しくてどうしても行く気になれなかった。
128 : 名無しバサー : 2008/12/19(金) 01:35:33
3ヶ月ほどそんな日が続いたが、その頃から何故かそのツレと一緒に釣りに行く夢ばかりやけに見るようになった。
釣りやめるなって言ってるのかなって思って、ある日意を決して、
ツレが一番よく使っていたロッドを持って、一番よく行っていた野池に出かける事にした。
月が恍々と照って、やけに明るい晩だった。
で、これだけ長文書いて、引っ張ってきて申し訳ないが、幽霊を見たとか、そのおかげで
でかいバスが釣れたとかそういう話では全くない。
釣果は30くらいのが二匹くらいだったと思う。
ただ誰も居ないはずのところから、ロッドを振る音が何度も聞こえてきていた。
不思議と怖いという感覚は無く、やっぱり来てくれたな、と素直に思えて、
俺はその時、ツレが亡くなってから初めて泣いた。
馬鹿みたいに声を上げて泣いた。
今も釣りは続けている。ツレはもういないけど、あいつのタックルはいつも一緒だ。
で、夜になれば時々暗やみからロッドを振る音が聞こえてくる。
怖い話じゃないな、スマソ。
129 : 名無しバサー : 2008/12/19(金) 01:39:17
いい話だ
優しい気持ちになったわ
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