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【怖い話】自分をも殺す自尊心なんぞ、ばからしい。そんなだから、愛娘を虐待するのだ。

 








616: 本当にあった怖い名無し 2010/02/14(日) 16:47:02 ID:+kA4RskS0
私には、娘が二人いる。
A子は、来春から、社会人だ。
B子は、来春より、大学生になる。

妻が急逝したのは、A子が中学生、B子が小学生の時だった。
A子が高校の頃には、私には尊敬できる女性ができていた、彼女も私を愛してくれた。
しかし、それで生じた再婚問題は、危うく、家族をバラバラにするところまで揉めた。
トラブルはこれだけじゃない。二人ともよくさびしさを我慢してくれたと思う。
私の教育方針は、よく話し合うことだった。幸い、彼女らの性格にも、この方針は相性が良かったようだ。

B子が都内の私立高校に進学し、最初の秋、私は授業参観に出た。
A子はむくれていた。なぜなら、A子の参観には出れた験しが無かった。
その寂しさをよくわかっているからこそ、これまでのB子の参観にはA子が出ていた。
思えば、その立場を取り上げられたのも、彼女の不満の原因の一つだったかもしれない。
しかし、B子はとても嬉しがっていて、参観中、溌剌とした姿で、授業に取り組んでいた。



617: 本当にあった怖い名無し 2010/02/14(日) 16:47:47 ID:+kA4RskS0
この日、私はC子ちゃんの母親と知り合った。
C子ちゃんは、先生からすれば、安牌といった生徒らしい。
安牌というのは、この場合、彼女を指名しさえすれば、解答が出てくる、といったものだ。
「C子はこの答えが分かるか」というような指名は、理数系の質問でよくでていた。
御恥ずかしながら、血筋というべきか、私も、B子も理数系は苦手だ。
利発そうなお嬢さんだと思っていたし、その母親には、敬服もしていた。

C子ちゃんの母親は、B子の元気の良さを気に入ってくれていた。
私から見た限り、C子ちゃんは勉強はできるが、その他の部分、特に社交性に問題があった。
彼女もそこを気にしていたようだった。
この日から、私はC子ちゃんのご家族と、家族ぐるみの、お付き合いをさせていただくことになった。

B子とC子も、片方がコミュニケーション能力に問題があるが、ギクシャクながらも仲良くなっていった。
B子は、頻繁にC子を家に招き、A子もC子を気に入り、姉妹そろって、C子をかわいがった。
C子ちゃんはあまり笑わない娘であったが、楽しそうな笑い声が響くようになっていった。
帰宅後に、三人娘の笑い声をきくのが、いつしか、私の趣味になっていった。



618: 本当にあった怖い名無し 2010/02/14(日) 16:48:30 ID:+kA4RskS0
ある日、残業で遅くなり、自宅にかえると、姉妹そろって私を出迎えにきた。
二人とも、沈うつな表情をしていた。靴を脱ごうとしたときに、24半位の靴があることに気づいた。
C子ちゃんかなと思いはしたが、二人の様子から違うと思った。

二人が用意してくれていた、晩飯を平らげている最中。
B子は自室に戻り、A子だけがいた。
「パパ、C子ちゃんを帰したくない」
A子の言葉に私は不審さを抱いた。
いつもなら、きちんと理由をいうはずなのに、それもない。
「C子ちゃんは、お母さんのもとにいちゃいけない」
結論ばかりで、理由がない。
漠然とした不安感が私に募った。
「どうしてそんなことをいうんだ」
口に出せないような理由がある、その可能性を考慮し
私は出来る限り、信頼できる父親よろしく、穏やかに声をつむぎだした。
しかし、A子はクビをふるばかりで。
「しばらくだけでも、うちで預かることできないかな?」
話し合いになりそうもない。
「一存で決められない理由でもあるのか?
 …長い話になりそうだから、パパ、お風呂にはいってくるよ
 その間に相談して、三人で、降りてきなさい。
 B子と二人で、しっかり支えてやるんだぞ」
A子は、階段あがっていった。



619: 本当にあった怖い名無し 2010/02/14(日) 16:50:28 ID:+kA4RskS0
入浴は長かった。考える事が多かった。
A子とB子の表情、A子の話の内容、察するに、C子ちゃんのご家庭で何かあった。
その何かは、本人の許しなしに、口にできないような内容。
他所の家の、とんでもない事件に、我が家が巻き込まれる可能性
父親として、リスクを避けたいような考えが頭を占めていた。
そんな時に、曇りプラスチックの扉の向こうに人影があらわれた。
「A子?もうおりてきたのか。すぐいく」
影の背丈からそう判断し、湯の中から立ち上がった。
しかし、影は退室するそぶりを見せず、曇りプラスチックから、隠れるようにしていた。
「A子!C子ちゃんだって待っているんだから、邪魔をするんじゃない」
こういったときに影が扉の前に立ち、それを開けた。
A子ではなく、C子だった。何をしていたのかも一目瞭然だ。
「おじ…さん」
C子ちゃんは、うつむきながら、声を絞り出していた。
脱衣所の扉からは、姉妹が二人、クビをつっこむようにして、中の様子を確認していた。
私はたちまち、鼻の奥が、ひくつくのを感じ、瞼が熱くなるのを感じた。
C子ちゃんの体には、年頃の瑞々しい、可憐さもなく、痛々しい痣や傷跡だらけだった。
首から下、腰から上、この範囲に限定されていて、計算づくの加害者像がみてとれた。
「うちにお泊りしような。それから…もう、こんなこと、されないようにしなくちゃな」
C子ちゃんに先に脱衣所を使わせ、その後で、A子に用意させた外出着に着替えた。
事と次第によっては、即警察行きのつもりだった。



620: 本当にあった怖い名無し 2010/02/14(日) 16:53:17 ID:+kA4RskS0
C子ちゃんは、ぽつりぽつりと、何があったのかを教えてくれた。
私の記憶が確かなら、C子ちゃんの母親の教育論は、苦しみの共有だったはずだが。
テストの減点の回数、折檻されるのが、彼女の家の、本当の教育方針だったそうだ。
その上、当時は、C子ちゃんの父親が、母親に愛想を尽かし
外で愛人をつくって、家によりつかなくなっていて
父親の目が届かなくなるや、彼女を虐待する回数も増えたそうだ。
体育のある日には、制服の下に体操着を着込んでいかせる、等々の隠蔽も念入りだった。
C子ちゃんは、うちに来るたびに、自分の家が異常だと自覚を深めていったらしい。
そして、とうとう、耐え切れなくなって、理想的な家族のいる、うちに助けを求めたのだった。
「血のつながってないパパでもよければ、うちにおいで」
これが私の結論。
「お姉ちゃん、バイトがんばるからね」
これがA子の結論。
「四日違いで妹か、C子おねえちゃん」
これがB子の結論。
満場一致で、C子ちゃんをうちの娘にすることになった。



621: 本当にあった怖い名無し 2010/02/14(日) 16:59:21 ID:+kA4RskS0
そこからが、大変だった。
C子ちゃんの母親は、捜索願いを出していた。
このときには、私は、私の敬愛する人にも、事情を説明していた。
その人とは、A子とB子、双方が通った、高校の保険医である。
縁談が破談になった頃より、疎遠になっていたのだが
彼女は、出来る限りの協力を約束してくれ、校長先生にも話をとおしてくれていた。
学校側は、C子ちゃんの母親に、彼女の居場所を頑として教えず。
C子ちゃんは、毎日、A子とB子と共に、早朝にタクシーで通学し、開門前に裏口から登校した。
それから数日後、誘拐容疑で、警察の捜査がはじまったらしい。
学校側は、かねてからの予定通り、私のことを警察に言った。

ある早朝、私が容疑者として、任意同行を求められる傍ら
ABCの三姉妹は、事情聴取に応じる為、別のパトカーに乗った。
取調べでは、私のやったことが、違法行為であることを、警察官が口すっぱく言ってきた。
「目の前に殺されそうな人がいても、犯人の腕をへし折るな、そういうことですね」
私はこのように言って、取り合わなかった。
この間に、A子とB子は、洗いざらいぶちまけたらしい。
幸いにして、C子は、母親のもとにもどらされることもなかった。
三日目の取調べでは、若い新米っぽい刑事に代わり
事実確認を求めてくるのに、私が頷くだけとなっていた。
「つまり、貴方は、虐待をとめたかった」
コクン
「しかるべき施設に相談すべきでは」
フルフル
「どうして?」
「信頼していい人間がいることを、学んでほしかった。」
「………」
細かなところから、こんなかんじの動機の確認、三往復くらいはさせられただろうか。



622: 本当にあった怖い名無し 2010/02/14(日) 17:09:55 ID:+kA4RskS0
警察側がどう動いたのかは、分からないし、興味もない。
ただ、その結果と思しきことが、この話の決着のつき方にあらわれている。
一度だけ、C子ちゃんの母親が、父親に付き添われ、面会にきた。
C子ちゃんの母親は、憔悴しきった様子だった。
父親は、ガラスの向こうで、土下座してみせた。
彼がいうに、C子ちゃんの母親は、娘を見世物のように扱っていたそうだ。
勉強ができれば、鼻が高い位は想像がつく、出来なければ、出来るまで折檻するということなのだろう。
父親は、父親なりの苦悩があったらしい。
仕事もあるため、C子ちゃんにつきっきりとはいかない。
外に漏れれば、醜聞どころの騒ぎではない。
何度かはお手伝いさんを雇ったらしいが、すべてC子の母親がキャンセルしたそうだ。
「結局二人とも、自分の面子が第一だったんですね」
両親そろって頷いた。

その翌日、私は釈放された。
C子ちゃんの母親は、被害届けを取り下げ、警察も誘拐容疑の捜査をうちきったのだ。
警察署から出て行くと、C子ちゃんの父親が、C子ちゃんに別れを済ませているところだった。
A子とB子が、C子ちゃんの両脇を固めていた。
その視線の先をたどってみると、駐車場の門の外から、C子ちゃんの母親がこちらを見ていた。
その顔はけしょうっけもなく、目の下を赤くはれ上がらせていた。
こうして、ご両親の同意の元で、C子ちゃんを預かることになった。養子は断られた。

C子ちゃんの母親は、施設で静養する予定であると、父親からは説明を受けていたが
醜聞が広まるのを恐れたのか、自殺したと、後に聞かされた。
自分をも殺す自尊心なんぞ、ばからしい。そんなだから、愛娘を虐待するのだ。







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